EV SX300を分解してみた。ツイーターダイヤフラムの交換
スタジオやライブハウスでも定番となっているELECTRO-VOICEのSX300をのツィーター修理です。
高音の輪郭が特徴として重宝されている定番品ですね。
結構飛び易い事でも有名なSXです、交換方法さえ知ってしまえば簡単ですので、持ち味をちゃんと生かす為にもメンテナンスしてあげましょう!
症状の確認
正常なSXをRch 問題のSXをLchにしてPANで左右に振りながら比較します。
既に『ツィーター×』とテープを貼ってくれていますが、信じません(笑)
信じないというのは語弊がありますね、『先入観は持ちません』です!
「こんな症状だからあそこが悪いだろう。」というのは経験から導ける仮説としてはすごく大切ですが、『決め込んで確認せず処置して→再発。』というのはたまにある事です。
文中に内部のネットワーク基盤の事も触れていますが、この時も宝探しする感覚で故障箇所を探しているのです。無かったら無かったで『平和』ということで☆
さて、特に高音がおかしいという事なので、「”ちぇっ”く わん “つ”ー」の ” ” で囲ったあたりの風切り音の聴こえ方を比べるのが分かり易いです。
みごとにコモってました。高音が全然出ません。
大きな音を出して音が割れる訳でもないので、ウーファー(大きい方のスピーカー)は問題なさそうです。
分解
ネジを取って分解していきましょう!
(ネットを取ってからの2つは気付きにくく、私が初めて分解した時は小一時間これだけの為に悩まされました。)
背面を上にして蓋を開けます。
配線が短いので、ツイーターとウーファーへの2本づつのケーブルは外します。あとで中身の接続を間違えない為にも写メで撮っておきましょう。
背面下部から入力された音が中央のネットワーク基盤を通って、スピーカーと接続されています
左の物がツイーターのドライバーです。手で持って回せば取れます。
この固まりだけで1kgくらいありますので、気を付けて。
これを見るとなぜ重いのかがわかりますね。
大きな磁石なので、レンチが楽々くっついちゃいます。これ、ケータイ近づけたらきっとスグお逝きになられるので、気を付けて!
磁石にくっつくので、やりにくいですが、この4本のネジを外します。
取ると、出てきました。
これを垂直に取り外してください。
不良部分の確認
どこがダメかな〜。
一番分かりやすいのは真ん中の銀の半球状のところがバリッバリに破れてます。
今度機会があればお見せしたいです!
今回はどこかが焼けちゃってるのかな?
疑わしい雰囲気はありますがなかなか目視で確認できないですね。
通電チェックをしてみると、やはり断線しているようです。
合わせてネットワークも確認します。
抵抗器の足が振動で折れる事例も結構あります。触って確認し、裏にハンダ割れが無いかなどを。
ネットワークの不具合の影響でスピーカーユニットがダメージ受ける事もあります。
根本原因がネットワーク回路だった場合、ダイヤフラムを入れ替えてもまたすぐ破損したりするのです。
ちょっと蛇足ですが、この配線を見る限り、input二つは全く同じように接続してあります。
それぞれのジャックに「input」「output」と記載されていますが、他のSPと繋ぐ際にわからなくなるようにする為なのだと思いますが、どちらから入力しても大丈夫なようです。
組み立て&チェック
さて、ネットワークは大丈夫そうでしたので、新しいダイヤフラムを入れます!
このタイミングでは向きとか気にしなくて良いです。
ただ、垂直にいれないと、茶色いリング部分を傷つけてしまうので気を付けて!
ネジはある程度手で締めて、あとはレンチ。
回し着けたらスポンジを置きます。このスポンジはSXの年代によって材質・色が違います。
多少音質も違うのだとは思いますが、どこまで音質が違うのか聴き比べてみたいですね。
さて、結線ですが、
矢印の所にプラスのマークがあります。
プラスとマイナスをつけ間違わないように注意してください。
こういう所でプラスとマイナスを間違えると故障したり聴きにくくなったりしますので。
ケーブルの長さが短いです。
外す時もそうでしたが、スピーカーに添い寝しながらでないとなかなか着けられません。
熟練者はこのケーブルを長い物と取り替えると今後作業が格段にしやすくなります。
フタできればあとはネジを締めていくだけです。
さてここで、ここのネジ穴がちゃんと見えてなければ何かがおかしいですので、分解し直してみてくださいね。
ネジを4本ほど締めた段階で音出しチェックします。
キレイに高音も鳴ってくれましたので残りのネジを締めて完了!
この高音の輪郭がSXの持ち味でもありますしね!
因に、ダイヤフラムと呼ぶのかダイアフラムと呼ぶのかはどっちが正しいのかをたまに考えますが、知人曰く「英語をカタカナにした時点で正しくない」だそうですw